歯軋りとは、睡眠中に上下の歯をギリギリとすり合わせたり、グッと食いしばったりすることを言い、専門用語では「ブラキシズム」と呼ばれます。
自然にお口を閉じ、唇が触れている状態(下顎安静位)では、人間の上下の歯は触れていないのが正常です。
以下の状態の時、上下の歯が触れていないかどうかを確認してみてください。
もし、上下の歯が接触しているような場合、咬み締めの傾向にあります。
肩こり、偏頭痛、アゴの疲れ、目の奥の痛みなどの原因となることがあります。
歯が削れたり、割れたりすることがあります。
歯科治療で入れたセラミックなどのクラウン(被せ物)が割れることがあります。
歯周病が進行しやすくなる可能性があります。
顎関節症が悪化する可能性があります。
横で寝ている人の迷惑になることがあります。
睡眠時無呼吸症候群との関連性が指摘されています。
歯軋りは、ストレスを解消するために行われていると考えられています。
そのため、歯ぎしりの最大の原因はストレスだという説が現在最も有力です。
噛み合わせが原因で歯軋りが起こるという話もよく耳にしますが、かみ合わせが歯軋りの原因だという科学的根拠(エビデンス)は無く、現在ではかみ合わせと歯軋りの関連性はほぼ否定されています。
また、歯ぎしりは子供にもよく見られますが、これは歯の生えかわりや骨の発育に必要なものであり、ほとんどの場合自然に治ります。
歯科で最も良く行われる歯軋りの治療法は「マウスピース」(スプリント)です。
夜寝る時にマウスピースを装着することで歯にかかる負担を軽減させることができます。
極端に噛み合わせが高すぎる、あるいは低すぎるクラウン(被せ物)等が入っている場合には、それを調整、または作り直しする場合もあります。
ただ、歯軋りの根本的な原因はストレスである可能性が高いので、何らかの方法でストレスを軽減させることが最重要ポイントとなります。
ストレスを軽減させるには自己暗示療法、精神安定剤を使用する方法、漢方を使用する方法などがありますが、普通の歯科医院で行っている所はあまりありません。