最近、テレビ・新聞・雑誌などで顎関節症が取り上げられることがしばしばあります。
そのため、顎関節症をご存知の方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか?
すでにお悩みの方もおられるかもしれませんね。
今までの歯科における病気は虫歯(ウ蝕)と歯周病が2大疾患でしたが、近年では顎関節症の患者さんもかなり増えてきて、歯科における第3の疾患ともいえるのではないでしょうか。
顎関節症は20~30代の女性に好発しますが、最近はストレス社会の影響からか、男性でも顎関節症を訴える人が増えてきています。
顎関節症で顎関節に異常が出ると、日常生活が困難になることがあります。
ポキッと音が鳴る(クリックがある)だけの場合には特に治療の必要はありませんが、面白がってポキポキ鳴らすとアゴに負担をかけてしまい、症状が悪化する恐れがあるのでご注意下さい。
顎の関節がさほど気にならなくても、次のような症状が出始めたら要注意!
早めの精密検査をお勧めします。
めまい | 頭痛 | 耳鳴り | 視力低下 |
三叉神経痛 | 手足のしびれ | 痙攣 | 歩行困難 |
生理不順 | 食欲不振 | 吐き気 | 不眠症 |
顎関節症の診断には盲点があるのです。
ではこの盲点とはどのようなことなのでしょう?
全身的症状がある場合を考えてみます。全身的症状を見るとまったく顎に関係ないことばかりです。
これでは、本人は歯には関係ない病気だと思いこみ、歯科以外の病院を受診されてしまうでしょう。(本当は顎関節症なのにです)
その結果どのような問題に発展する可能性があるのか下の図を見てみましょう。
さて図のAさんはどうなってしまうのでしょう?
Aさんが顎関節症がどのような病気か知らなかったり、顎関節症を知らない医者にかかってしまうと、
「検査の結果は正常なのに耳鳴りや・めまいが治らない」
では精神的な問題なのでは?
となってしまうことが珍しくないのです。
顎関節症を正しく受診するためには、
患者さん自信が顎関節症をよく知ること
歯科以外の医師も顎関節症をよく知ること
が重要なのです。
少し専門的になりますが、顎は3次元的(上下、左右、前後)な動きをします。
この動きを妨げる原因があると、顎関節の負担になり顎関節症がおきます。
噛み合わせが合わない、つめもの(インレー、CR充填)・かぶせもの(クラウン)・入れ歯(義歯)をした場合歯並びが悪い(歯列不正)親知らず(智歯)が萌えてきて顎の運動を邪魔する。
ストレスに耐えているとき、また仕事やスポーツに頑張っているとき、知らないうちに歯を食いしばっていることがあるでしょう。
顎関節症の原因は、精神的ストレス、あごに過剰な負担をかける食いしばりなどのクセ、かみ合わせの異常やあごの損傷などさまざまで、これらが積み重なって許容限度をこえたときに起こると考えられています。許容限度には個人差があり、子どもや若い女性は靭帯が軟らかく伸びやすいため、ちょっとした負担で関節がずれて症状が起こることが多いのです。
最後に、当歯科医院が長年培ってきた顎関節症の専門的な治療方法をご案内します。
顎関節症の治療に関して様々な方法が試みられていますが治癒率は明らかではありません。
なぜ治癒率が明らかでないかというと、顎関節症の『正体』がなかなか見えないためです。
顎関節症の「正体」(原因の本質)は、噛み合わせがズレることによる咬合に関係する筋肉の緊張です。
そこで、当歯科医院ではこの筋肉の緊張をほぐすための装置(スプリント)を作りました。
スプリントとは、顎関節症治療用マウスピースのことです。
スプリントには様々な種類があり、症状によって使い分けられます。
スプリントの料金・値段(保険適用3割負担) … 約 4,500 円
保険の治療費は3割負担の場合の、大まかな目安です。
顎関節症の人は大勢いますし、いつの間にかからだが適応して自然に治ってしまうことが大半なので、信頼できそうな歯医者さんを見つけることができたら、
後はあせらずゆっくりと顎関節症を改善させていきましょう。
スポーツの際の、けがの防止の目的で使用し、ラグビーや空手など、相手と激しくバトルするスポーツをされる方には、必須のアイテムになっています。
スポーツ医学、歯学の分野では歯の損傷、歯ぐきの裂傷、顎の骨折などの防止だけでなく、脳震盪の防止にも、効果的とされています。また、マウスガード装着による安心感で、思いきったプレーができる、あるいは、装着してないときと比較して、よりパワーアップすることも、利点としていくつか報告されています。
市販のものもありますが、噛み合わせが合わない、ゆるい、きついなど、長期間の使用で、顎関節症など、問題を引き起こす可能性があります。
歯科医院で歯型を採って作られた、自分にあったオーダーメイドのものを、装着されることをお勧めします。